・授業の目的と概要
本講義の目的は、イランに関する歴史的・地理的な幅広い知識の獲得にある。具体的には、本講義では、イランを中心に西アジアの地理を歴史的側面から講ずる。「イラン言語・歴史概論Ⅰa」とは異なり本講義では、人口、都市、産業といったより近代的・現代的なトピックスを軸に西アジア地域(とくにイランを中心とする)の人文・社会・歴史地理を講ずる。
なお、イランと他地域との比較にも十分な目配りをするつもりである。したがって、イランに関する知識が乏しい学生にも積極的に受講して欲しい。
科目の性質上、イランおよび西アジアを中心に講義を進めることになるが、他地域あるいは日本との比較の視点にも十分な目配りをしたいと思っている。また、イランの特殊性に注目するだけでなく、普遍性にも注目したい。このため、各トピックスは基本的に、(1)現状の把握(地理的分布状況)をした上で、(2)過去の状況を把握し、(3)最後に過去から現在への変化を説明する理屈を提示する、という順序で進める。
・学習目標
・学生諸君が、イランに関する各トピックス(都市の地理や人口の地理など)について、地図や統計から地理的分布状況(現状)を把握できるようになる。
・学生諸君が、その上で、なぜそのような地理的状況が生まれたのかを論理的に理解する能力を獲得し、他者に当該地域の地域性を説明できるようになることを目標とする。