ウルドゥー文字が最も美しい形で見られるのは詩です。詩はウルドゥー文学において最も人気の高いジャンルでもあります。 右の詩は詩人ムハンマド・イクバール Muhammad Iqbal(1938年没)の詩です.一番上の太く大きな文字は詩の題名です。その下の詩は、ウルドゥー詩の中でも最も人気のある「ガザルghazal」という詩形です。ガザルは、一対の詩句(シェールshi'r)が複数連なった形になっています。文字を読めなくても、詩の左側の文字が皆同じであることがおわかりかと思います。これがガザルの押韻です。 インドやパキスタンのみならず、世界中に暮らす南アジア系の人々の多くはインド映画とともにウルドゥー語のガザルを大変好みます。ですから、ウルドゥー語(あるいはヒンディー語)を知る人の多くがいくつかの詩句を諳んじていて、事ある毎に引用するのです。本学の外国人教師によるウルドゥー語の授業や、文学研究の授業ではこのガザルを鑑賞・研究するものもあります。 |