留学体験談  「大学への留学」  中井理恵(留学時3年生)


 
   

【留学先学校名】
・Københavns Universitet (2011年8月~2012年5月)
・Studieskolen(語学学校) (2011年9月~2012年7月)


 私は2011年の8月から約10ヶ月間、デンマーク政府奨学金制度を利用してコペンハーゲン大学に留学していました(奨学金の支給期間は9ヶ月間)。


 大学では、秋学期は主にデンマーク語を専攻している外国人のためのデンマーク語の授業を2つ(作文、デンマーク語音声学)、春学期は言語学科のデンマーク人学生と一緒に一般音声学の授業を受けていました。


 秋学期に受けていたデンマーク語の授業には、ヨーロッパの各地から学生が集まっていました。生徒間のコミュニケーションはデンマーク語のときもあれば英語のときもあり頭がこんがらがって大変でしたが、それでもなんとか他の学生とコミュニケーションをとり、仲良くなれたことはとても良い経験になりました。


 具体的な授業の内容はというと、作文の授業では主にアンデルセン童話やデンマークの小説の英語訳をもう一度デンマーク語に翻訳するということを行っていました。授業では毎回課題を出され、最初のうちはそれらをこなすのにとても時間がかかって大変でした。


 デンマーク語音声学の授業は、前半で理論、後半は実践というように2部に分かれていました。前半は教室でデンマーク語の発音記号について理論的に学び、後半では特別な教室に行き、各自ヘッドフォンとマイクをつけて発音の練習をしました。生徒の発音を先生が聞いていて、間違っていれば矯正してもらえたので、デンマーク語の難しい発音を学ぶのにはとても良い環境でした。


 春学期には、言語学科のデンマーク人学生に交じって一般音声学の授業を受けていました。私はもともと音声記号に興味があり、秋学期の授業を受けてさらに関心が高まったということもあり通常は留学生が参加しない授業だったにもかかわらず先生にお願いして聴講させてもらいました。予想はしていましたが、授業で使われる単語は専門的なものが多く、それらを調べる作業だけで一日が終わってしまったりもして大変でした。授業の内容をすべて理解できたわけではないですが、それでも毎日得るものがあり、わからないなりに楽しんで授業を受けることができました。この授業を受けて特に印象的だったのは、その授業に参加している学生がとても意欲的で、一回の授業中に質問を何度も何度もしていることでした。


 また、私は9月から大学に並行して外国人のための語学学校にも通っていました。語学学校ではレベル別にクラスが分れていて、私はレベル3からのスタートでした。レベル5のクラスまで進むと、Prøve i Dansk 3というデンマーク語能力試験を受けることができます。私はこの資格をとろうと思って語学学校に通うことを決めました。語学学校に通い始めて間もないうちは、デンマークに行く前に2年半デンマーク語の勉強をしていたということもあり授業の内容は簡単に感じられました。しかし後半になると毎日のように小論文の宿題が出されるようになり、大学の授業、予習と両立するのは本当に大変でほとんど寝られないような日もありました。しかし、試験に向けて一緒に頑張っているクラスメイトと励ましあいながらなんとか頑張ることができました。授業後に仲の良いクラスメイトとカフェで会話したのは良い思い出です。そして休まずに通い続けた結果、最終的にPrøve i Dansk 3にも合格することができました。毎日毎日小論文の練習をした甲斐もあり、小論文には最高評価をもらうこともできました。


 私が今回の留学で目的としていたものは、デンマーク語を学ぶこと、そして以前から興味を持っていた音声学の授業に参加することでした。この目的は達成できたと思っています。中でもデンマーク語の試験に合格できたことはとても嬉しかったです。また、この目的に向かって努力することで、かなりの根性がついたとも思っています。この留学は今まで生きてきた中でも本当に大変でしたが、同時に多くのものを得ることもできました。大変だったことばかりを書きましたが、もちろん年中無休で勉強し続けていたわけではなくて休暇中には旅行に行ったり、パーティーをしたり、楽しかったこともたくさんあります。大変なばかりではなく楽しいだけでもない、本当に有意義な留学でした。今から卒業するまではもちろん、大学を卒業してからもこの経験を生かしてずっと努力していきたいです。