言語とともに、一生ものの世界への新しい視点を得た一年 小西 亜理沙(留学時3年生)
写真1 キャンパス |
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【留学先学校名】
・Institut for Uddannelse og Pædagogik (DPU)(2013年 9月 ~ 2014年 7月)
デンマークの教育について学びたい、とデンマーク政府奨学金を頂いて留学しました。初日に大学側から留学生受け入れは大学院生以上からであると説明を受け、学部への留学生である私は愕然としましたが、学びたいという意思を尊重してくださった大学の配慮で大学院課程の文化人類学コースで学ぶことになりました。特に教育とグローバリゼーションを専門としたコースで、クラスはデンマーク人が半数、あとの半数は14カ国から集まった学生という編成です。世界中からやって来たクラスメイト達とのやり取りの中から今まで考えたこともなかった発想や考え方に出会う毎日でした。例えば、「あなたの生まれ育った地域では“文化”という言葉はありますか?どのような意味ですか?」という質問から一人一人が説明していくと、なんとたくさんの定義があることか!クラスの中で英語の“Culture”という言葉を使っていたとしてもそれが意味するものが違うということに驚きました。グローバリゼーションにおいてこのような違いを意識することの重要さも感じました。そして、授業の中では自分が学生であるだけではなく、学びを深めるための最高の素材であるということも意識するようになりました。自分の経験や、生まれ育った環境を考える材料として、人に伝え、自分でも使うことができるのだということです。そうすることで、クラス全体がお互いに経験を共有し、新たな視点を知ることができました。また授業では学生自身が授業内容をどれだけ充実させられるかがという責任を負っているということを強く感じました。学生の質問によって授業が進み、先生も学生も理解が深まっていくのです。クラスの中で自分の存在を強く感じる分、学ぶ意欲が尽きない一年でした。そして、授業前も授業後も意見の交換やディスカッションの熱は冷めやらず、本当に充実した学校生活でした。放課後はかなりの量の理論的な文献を読む日々が続きましたが、次第に慣れていき、授業も大学以外の生活も楽しくなっていきました。
写真2 各国で違う”文化”板書 写真3 デンマークのMayDay
人口の比較的少ないデンマークで、それまたデンマーク語を話す日本人は珍しいからか、様々な方から声をかけて頂きたくさんの出会いがありました。学んできたデンマーク語を使ってデンマークに住む人たちといろんな話ができること、そして仲が深まっていくことの楽しさと、もっとデンマーク語ができればもっと話せるという気持ちを毎日抱くことができるのが、デンマーク語をデンマークで学ぶ良さではないでしょうか。私は食べることが大好きなので、デンマーク人のお家に招待してもらったときは、美味しかった料理のレシピを教えてもらうことで、コミュニケーションを深めていきました。教えてもらったレシピはデンマークでの思い出と一緒にこれからもずっと残っていくと思います。人との議論が大好きで、頑張っている人を受け入れて認めてくれるデンマーク人の優しさに触れた一年間でした。