留学体験談 「EventLabで学んだこと」 橋本由紀(留学時3年生)
<世界遺産のイェリング墳墓群にて>
【留学先学校名】
・Brandbjerg Højskole(2016年4月~6月)
私は3か月の留学先として、Brandbjerg Højskoleを選びました。生徒の8割がデンマーク人の中、留学生も積極的に受け入れているということで、デンマーク人と交流したいと思っていたと同時に、いろんな国からの生徒とも交流したいと思っていた私にとってぴったりの学校だと思えたからです。
その学校には、アウトドア、音楽、瞑想、Eventlab、という4つのコースがあり、その中で私はプロジェクトの企画・実行を学ぶEventlabを選択していました。授業ではアイディアを出すことがとても大切にされていて、毎回の授業の初めにブレインストーミングのように、今の自分の気持ちをポストイットに書いてボードに張るといったワークをし、皆が意見を言いやすい空気が作られていました。私も初めは発言するのにも恥ずかしさや怖さがありましたが、皆が間違いや失敗を恐れず自由に発言していることや、どんな些細な意見やアイディアも受け入れてもらえるという環境のおかげで、自分らしく発言することができるようになったと思います。
授業の一環として特に印象に残っているのが、Jelling(イェリング)のミュージックフェスティバルに関する企画です。その祭りは学校のあるJellingという町で5月末に約1週間にわたって開催される大規模なロックフェスティバルで、老若男女大勢の人が参加します。Brandbjerg
Højskoleは、その音楽祭にボランティアとして参加しており、宣伝、フェスティバル中のイベント企画、環境への配慮の呼びかけ、終了後のゴミ拾い、捨てられた寝袋の寄付などを皆で協力して行います。例えば、宣伝として、突然町の中でパレードをするというフラッシュモブを企画したり、地元のefterskole(全寮制の中学校のような学校)に、ごみ分別や環境に対する意識を高めてもらうためにプレゼンをしに回ったりなどしました。それらもすべて一から企画し行います。デンマーク人の自由な発想や勢いについていけなかったこともありましたが、その中でも私の良さもきちんと認めてもらえて、皆で協力しながら準備していたのは本当にいい思い出です。
<イェリングミュージックフェスティバル>
私が留学を通して強く感じたことは、デンマークの人たちは自分から周りに働きかけていくという気持ちが強いということです。先ほどのEventLabの活動でもそうですが、小さなことで言うと、部屋や共同スペースを飾り立てたり、また、ある日部屋に戻ると洗面所の壁一面に”Smile”や”Sunshine
is better with you”のようなポジティブな言葉が書かれていて「こうした方が毎朝元気になれるでしょ」とルームメイトのデンマーク人に言われたりと、デンマークでは自分と周りが楽しく、良く過ごせるように工夫するという姿勢をとても感じました。その時に肌で感じた主体性や柔軟な発想というのは、帰国してからも私の行動を大きく変えたと思っています。
3か月という短い期間でしたが、デンマークの人たちと実際に触れ合えたこと、そしてこれまで学んできたデンマーク語を生活の中で使ったことなど、現地に滞在したことは非常に価値のあることだったと思います。毎日が挑戦の連続で、たったの3か月でしたが、多くの新しい経験をすることができ、視野も広がり成長できたと思っています。クラスメイトは基本的に同年代の人たちが多かったのですが、それでもバックグラウンドがそれぞれ違い、また行く先も違う人たちと触れ合うことはとても刺激的でした。その中にはgymnasium(ギムナジウム、高校)や大学を一旦やめて来ている人も一定数おり、そのような道を日本ほど抵抗なく選ぶことができることもまた興味深く感じました。何といっても、先生もクラスメイトも唯一のアジア人だった私を温かく受け入れてもらえたことに感謝しています。
これから留学する皆さんは、不安もたくさんあるかと思いますが、まずは飛び込んでみるのが大切なのではないかと思います。やはり現地に行って初めて分かることもありますし、自分の価値観と違う世界に飛び込んだことは貴重な体験だったなあと思います。皆さんもぜひ、留学に挑戦してみてください。
<カタロニアへの小旅行にて>
<学校の中庭。晴れた日は皆よくここで昼寝をします。>