デンマークに留学してみて  山根 いずみ (留学時3年生)

【留学先学校名】
 Hadsten Højskole  (2016年8月 ~ 2016年12月)
 Brandbjerg Højskole (2017年1月 ~ 2017年6月)

 私は3年生の後期よりデンマークのfolkehøjskoleへ留学しました。1校目は、ユトランド半島のオーフスに近いHadstenという小さな町の学校でした。そこでは、基本的に大学の授業と同じような形で、開講される授業の中から自分の好きなものを選び、自分で時間割を決めるスタイルでした。ただし、授業とはいっても、例えば、ランニング、アウトドア、編み物、という風に、一般的な「学業」ではない授業もたくさん選べました。ルームメートは実家が学校から500mくらいのところにあるという同じ年の子で、とってもパワフルで親切で、いつも何かしら手伝ってもらっていました。色々な手続きや学校生活のわからないことなどを日々教えて貰っていました。

 Hadsten Højskoleでの4か月間は新しいことの連続でとにかくとても楽しかったけれど、最初の2か月くらいはほとんどデンマーク語を理解できず、3か月目の終わりごろに何となくだいたいわかるかな、くらいの語学レベルだったので、日本でもっと勉強しておくべきだったと後悔もしました。分からなくても、みんな親切なので教えて貰ったり、手伝ってもらったりはできて困らなかったけれど、最初からもっとデンマーク語がわかっていればまた違った経験になっただろうな、と思います。デンマーク人が話すデンマーク語は教材のCDよりも速いし、ネイティブの先生の親切なデンマーク語とも違いました。特に私はコミュニケーションをとるのが上手いほうではないので、言葉ができない中での生活というのは、楽しくもあったけれどやっぱりしんどかったな、と今は思います。学校では1番デンマーク語ができなかったので、授業とは別にボランティアの先生から習うことができたり、そのおかげでその先生のお孫さんの祖父母参観に行かせてもらったり、とそれはそれでいい思いもしました。学期の終わりごろには新しい学校に行くのが憂鬱になるくらい楽しく過ごしました。

 2校目もユトランド半島の学校でしたが、1校目と違って森の中にある学校でした。一番近いスーパーが5㎞先という自然に囲まれた素敵な学校でした。この学校では、カリキュラムが大枠として決まっていて、その中でメインのコースとサブの授業を選ぶという授業スタイルでした。私はOutdoorをメインとして選び、すごくハードなひと冬を過ごしました。真冬に雪の降る中を1泊分の装備を背負ってマウンテンバイクをこいでキャンプに行ったり、約20㎏の荷物を背負ってハイキングをしたり、真夜中の森の中をさまよい歩いたり、ノルウェーの雪山で一週間を過ごしたり、鎌倉を作ったり。体力的にきついことも多かったけれど、日本ではできない、しない体験ばかりで、Hadsten Højskoleとはまた違う、楽しい日々を過ごしました。

 Udfordring uge(Challenge week)という、一人一人が自分に対するチャレンジを決めて実際にやる週、といった面白い活動もありました。チャレンジは本当に様々で、犬が苦手なのを克服する、親に思いを伝える手紙を書く、1日他人に指示された通りのスケジュール・行動をするというものもありました。Brandbjerg Højskoleはその立地もあって、出かけるところがないので割といつでもみんな学校にいて、授業後も一緒に何かをやってみよう、という機会が多く、自然と人と触れ合えたのがありがたかったな、と思います。

 デンマークにいた約1年間には、本当に色々、ちょっとしたことも含めて、楽しい思い出がありますが、書き出したらきりがないのでやめておきます。留学をして自分に劇的な変化があったとは思いません。でも、この1年間は私にとって全く無駄でなかったし、様々なことを体験し、考え、感じました。そこで経験したことは多分この先もずっと忘れないと思います。すごくいい1年でした。