留学体験談 Silkeborg Højskole
岡田浩嗣(留学時3年生)
【留学先学校名】
・Silkeborg Højskole(2023年8月~12月)
私は2023年8月6日から12月16日まで、デンマークのユトランド半島中央にある、Silkeborg Højskoleというところで留学していました。Silkeborgという町の中心部から少し離れたところにあるこのSilkeborg Højskoleは、湖や木々に囲まれた自然豊かな学校でした。19週間の間、120人ほどの生徒と共同生活をし、うち留学生は12人で残りはデンマーク人でした。始まって数日間は、ネイティブの会話スピードについていけなかったり、毎日新しい人と話をしなくてはならなかったりして、とても疲労感があったのを覚えています。初めて自分が留学生というマイノリティな状況に置かれ、毎日外国語を聞き・話し、普段の生活では感じたことのないストレスも感じていました。しかし、自分が留学生であることなど関係ないようにいろんな人が話しかけてくれて、お互いの文化や言語の違いなどについて話をしたり、どうしてフォルケにきたのかについて話したり、とてもフレンドリーに接してくれたおかげですぐに打ち解けることができました。しかし全員の名前を覚えるのには2週間ほどかかりました(笑)。
半年間のフォルケ生活で、私は専攻科目としてFriluftsliv (outdoor life)を選択しました。この授業では名前の通り外で活動することがほとんどで、夏はカヤックの基本動作や救助方法などを学んだり、みんなで計画を立ててキャンプをしたり、火の起こし方や薪の切り方など細かいスキルを学ぶこともありました。寒くなってくると、きのこ狩りをし、鹿を1から解体して手分けして鹿料理を作るという貴重な機会もありました。時には心身ともに辛いこともありましたが、そういった活動を通して自然のありがたさや怖さ、人と協力することの大切さ、難しさなどを学ぶことができました。専攻科目の他にもさまざまな選択科目があり、中には演技や物作り、ビール醸造の授業などもあり自分に合った科目を選ぶことができました。
平日は食事の時間が決まっているため毎日7時には起きて朝食を食べ、集会に行き、授業に行くというのが毎日でした。授業後や夕食の後は基本的に自由時間なので友達と話をしたり、映画を見たり、カードゲームをしたり、いたずらをしたり、時には部屋でダラダラしたりとたくさんのことをしました。毎週金曜日の夜にはパーティがあり、学校の中にあるバーを生徒たちで運営してお酒を飲んだり、ダンスをしたり、テーマがあるときは各自コスプレをしたりなど、みんな金曜日を楽しみにしていました。休日も基本的に自由なので、各自したいことをしていましたが、土曜日は多くの生徒が二日酔いで部屋から出てこないこともありました。私は部屋の掃除や洗濯をする時間に当てていました。時にはAarhusなど街に出て買い物や観光をすることもありました。毎週日曜日には友達と湖にvinterbadning
(winter bathing)をしに行ったりもしていました。
食事は3食全て専属のキッチンスタッフが生徒全員分を作ってくれていました。食事の準備や皿洗いなどは、当番制で生徒が行っていました。朝昼晩の3食の間にはフルーツやお菓子なども置かれているため、お腹が空いて授業に集中できないということはありませんでした。常時コーヒー、紅茶、水が置かれているため、わざわざ飲み物を買うこともありませんでした。ご飯はどれも美味しかったので満足でしたが、慣れるまでは朝食のhavregrød(オートミール)が苦手だったり、1週間に何度も食べるsmørrebrød(オープンサンドウィッチ)には飽き飽きしたりもしました。ハロウィンやクリスマスの時はデンマークの伝統料理が出ることもあり、様々な食文化を体験することもできました。
困ったことで言えば、浴槽がないので毎日シャワーだけだったことや、日本の白ごはんが食べれなかったこと、伝えたいことがうまく伝わらなかったことなど些細なものばかりでした。
約半年間、過ごしやすい気候で、多くの自然に囲まれたデンマークで暮らしてみて、日本食や温泉はもちろん恋しくなりましたが、文化に慣れれば一生住むことができるなと感じました。私はFolkhøjskoleでの留学を選びましたが、本物のデンマーク文化に触れることができ、ネイティヴのデンマーク語を色々な活動を通して学ぶことができたので大満足です。