Currents of Metamorphosis across the Indian Ocean
2023.10.27
海は人を隔てる障壁となる一方、自由に行き来できる道として、人をつなぎもする。インド洋という「海」に焦点を当て、周辺に生きる人々がその「海」をいかに想像してきたか、そしてその「海」は人々に何をもたらしてきたのかと考える時、海が本質的に有する両義性がそこにも浮かび上がってくる。すなわち、インド洋は障壁として立ち現れる一方、媒介としても豊かな役割を担い続けてきたのである。
東南アジアからインド、アフリカへと広がる環インド洋世界は、異なる文化や民族の交流の場であり、思想や哲学が相互に影響を与え、多くの宗教が共存している。これまでの研究は、国ごとや事象ごとの個別の研究を中心に隣接する地域との関連で議論されてきたが、広大な環インド洋世界をひとつの文化圏として位置づけ、ミクロな現象をマクロの視点で捉えることは、新たな研究視座を提供することになろう。
本シンポジウムでは、障壁と媒介という二面性をもつ海という舞台において、東南アジア、インド、アフリカの文学、文化、思想、言語が、いかに連続、あるいは断絶しているのかという問題を、4つのセッションを設けて考える。
陸上の重力とは無縁の海の中の生物が、新しい形態へと次々変化をしていくように、環インド洋世界の文学、文化、思想、言語が、インド洋を通じてさまざまなメタモルフォーゼ(変身・変態)を遂げていく様相を描き出したい。
日時
2023年12月9日(土)& 12月10日(日)
場所
大阪大学箕面キャンパス、外国学研究講義棟4階中講義室(405)+Zoom・オンライン
言語
英語
参加申し込み
締め切り:2023年12月1日
申し込みURL:https://forms.gle/1GjYmMxh94LhcC4H6
※申し込みされたすべての方に12月8日までにZoomリンクをお送りいたします。
※対面参加は、先着60名までとさせていただきます。
主催
人間文化研究機構環インド洋地域研究プロジェクト(HINDOWS)
連絡先
環インド洋地域研究プロジェクト・大阪大学拠点
Hindowsconference[at]gmail.com
プログラム
12月9日(土)
10:00-10:10 開会の辞
10:10-12:00 セッション1: The Metamorphosis Stage: The Sea
宮本隆史(大阪大学) Henri Chambert-Loir (Ecole française d'Extrême-Orient) Clarissa Vierke (University of Bayreuth)
13:00-14:50 セッション2: Metamorphosis of Literature Thibaut d'Hubert (The University of Chicago) Musa Ibrahim (Kwame Nkrumah University of Science and Technology)
青山亨(東京外国語大学)
15:10-17:00 セッション3: Metamorphosis of Cultures and Thoughts Andrew J. Eisenberg (New York University Abu Dhabi)
菅原由美(大阪大学)
Ravikant (Centre for the Study of Developing Societies)
12月10日(日)
10:00-12:20 セッション4: Metamorphosis of Languages Hassan Rezai Baghbidi (Osaka University) Liaquat Ali (University of Balochistan Quetta)
米田信子(大阪大学)
長屋尚典(東京大学)
12:20-12:50 討論
12:50-13:00 閉会の辞