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ポルトガル語専攻主催イベント「カーネーション革命50周年」を開催しました

2024.5.29

令和6年5月15日(水)に箕面キャンパス大阪外国語大学記念ホールにて、ポルトガル語専攻主催イベント「カーネーション革命50周年」を開催しました。

1974年4月25日に、ポルトガルで軍の若手将兵を中心とした勢力によるクーデタが発生し、アントニオ・オリベイラ・サラザール首相及び後継者による約40年間にわたる独裁政権が倒されました。一滴の血も流さずに達成されたこのクーデタは「カーネーション革命(4月25日革命)」として、現在でもポルトガル国民の誇りとなっています。2024年で革命から50周年を迎えることを記念し、ポルトガル語専攻では、この革命を学生及び一般の皆様により知ってもらうため、講演及び学生の発表を中心とした本イベントを、4月25日から20日後の5月15日に挙行いたしました。

イベントでは竹村景子人文学研究科外国学専攻長からの開会あいさつに続き、第1部では、ヴィットル・セレーノ駐日ポルトガル大使から革命から50年後の現代及び未来のポルトガルと、日葡二国間関係について、金七紀男東京外国語大学名誉教授からポルトガルの民主化と植民地解放の流れについて、東明彦本学名誉教授からポルトガルの教科書を分析して革命とその前後の描写を分析する講演がありました。第2部では、ポルトガル語専攻の2年生有志が、主に学部1年生や一般参加の皆様向けにサラザール独裁の経緯を、同3~4年生が現代のメディアにおける革命の取り上げられ方を膨大な新聞記事を分析して考察した結果を、それぞれ日本語とポルトガル語で発表しました。さらに、セレーノ大使、金七先生、東先生から、各発表へのコメントをいただきました。第3部はポルトガルの大衆音楽「ファド」のミニコンサートで、ファド歌手の津森久美子氏、ギタリストの水谷和大氏、ポルトガルギタリストの山本真也氏のトリオが、サラザール独裁時代から革命後にゆかりのある楽曲を中心に6曲演奏しました。特に、1974年4月25日に、クーデタに参加した若手将兵の間で革命の合図として用いられ、現在でも民主化の象徴として愛される『Grândola Vila Morena』を会場全員で合唱する試みもありました。


イベントには本学ポルトガル語専攻の学生約70名のほか、一般からも多くの皆様にご来場いただき、当日約130席を用意した大阪外国語大学記念ホールが一時満席になる盛況ぶりでした。イベント終了後も、ご来場の皆様と来賓のセレーノ大使、金七先生、東先生、並びに本学教員、学生がその場で活発に意見交換を行う交流の時間が続きました。


ヴィットル・セレーノ大使の講演の様子。

ヴィットル・セレーノ大使の講演の様子。

金七紀男先生の講演の様子。

金七紀男先生の講演の様子。

東明彦先生の講演の様子。

東明彦先生の講演の様子。

ポルトガル語専攻2年生有志による、日本語とポルトガル語の二言語での発表。

ポルトガル語専攻2年生有志による、
日本語とポルトガル語の二言語での発表。

ポルトガル語専攻3・4年生有志による、日本語とポルトガル語の二言語での発表。

ポルトガル語専攻3・4年生有志による、
日本語とポルトガル語の二言語での発表。

発表に参加した有志学生たちに、感動の意を伝えるセレーノ大使。次世代の日葡関係のために若い学生や研究者たちの交流の重要性を強調されました。

発表に参加した有志学生たちに、感動の意を伝えるセレーノ大使。次世代の日葡関係のために若い学生や研究者たちの交流の重要性を強調されました。

津森久美子氏(中央)、水谷和夫氏(右)、山本真也氏(左)による、ポルトガル大衆音楽「ファド」のミニコンサート。

津森久美子氏(中央)、水谷和夫氏(右)、山本真也氏(左)による、
ポルトガル大衆音楽「ファド」のミニコンサート。

一時、大阪外国語大学記念ホールが満員になる盛況ぶりでした。

一時、大阪外国語大学記念ホールが満員になる盛況ぶりでした。

イベント後、山本氏に珍しいポルトガルギターを体験させてもらう学生。

イベント後、山本氏に珍しいポルトガルギターを体験させてもらう学生。