外国語学部SCHOOL OF FOREIGN STUDIES

わたしの阪大外国語学部

座談会

第4回 学生座談会

学生座談会

櫻井祐太さん2年生(監督)

瀬尾友花さん2年生(監督補佐、音響)

阪大 外国語学部学生座談会

平城崇行さん2年生(書生)

奥山紗帆さん2年生(お告げの虎)
※奥山さんのみ日本語専攻ベトナム語

外国語学部の名物行事といえば語劇です。専攻する言語の有志によって専攻言語による劇を上演します。毎年春に、新入生も含めて専攻言語ごとに有志でチームが作られ、秋に上演されます。ベトナム語の語劇は、授業の一環として行われ、毎年古典から同じ題目を上演しています。そんな、語劇の上演(約50分)が終わったばかりのメンバー4名に集まってもらい、外国語学部の魅力を語っていただきました。

司会者お疲れ様でした。いかがですか?語劇が終わってみて。

櫻井 語劇祭というのは、基本は、有志によって行われるんですが、僕たちだけ強制なんですよ(笑)ベトナム専攻だけ、授業で扱う昔の劇を実際にやってみようという主旨で、授業の一環としてやっています。
それで、台本は多少違うんですけど、毎年同じ題目で同じことをやっているんです。最初はそんなに思い入れがないんです(笑)

だから、今回監督をやることになって、いかに楽しくやるかということを考えた方がいいと思いました。やっていくうちに楽しさがでてきて、その結果として良い物ができたら良いなという風に思っていました。

語劇は、みんな授業とかサークルや部活とかバイトとか、諸々の間の時間を縫ってやるので、関係性を密にしないとやっていけない部分が大きいんです。
マネージメントが難しいなって思いました。いろいろな個性が集まっていますし、それぞれ事情も違いますので、それらをいかに吸い集めてまとめてやる気を出してもらうかというのが課題だと思っていました。

平城 朝早起きしてって状況が辛かったね(笑)
なかなか一限目に集まれなかったんですが、最後の方はやはり練習不足で、みんな集まらないといけなくなって、「しんどいなあ」と感じた人も、僕も含めて(笑)いたとは思います。

僕は、主役をやらせてもらいましたが、ベトナム語で感情移入してやるというのは、予想以上に難しかったですね。
最初は正直なめていたところがあって、「大丈夫だろう」と思っていたんですが、実際やってみると、ベトナム語の台詞を完全に憶えてスラスラ言えるようになり、さらに劇や役の演技を理解して、初めて身振り手振りができるんですね。
それが分かってきて、難しいなこれはと思ってきたんですが、同時に「良い演技をしよう」と思ってやっていると、「それ良いよ」とか演技を褒められるようになって、そんな中で、演技や台詞のクォリティを高めていくのが楽しくなってきました。
それと、普段、授業の中では発音を矯正する時間ってないんですが、語劇となると、発音はとても大切ですし、特にベトナム語は発音が難しいので、それをみてもらって、発音を直してもらったりできたのが良かったなと思います。

瀬尾 今回は、櫻井さんが、大きな方針として「監督があれこれ指示をするのではなくて、みんながそれぞれ考えて動けるようにしよう」ということを立てていて、その中で、私は助監督的に現場を仕切る役割をしていたのですが、みんなそれぞれに温度差が凄くあったので、そこの調整が大変だったですね。
スケジュールもそうですが、思いが異なる人たちのコミュニケーションの仕方など、まとめる難しさをすごく感じました。それを学べたのが良かったと思います。それが分かったからやって良かったなあと思いますね。

奥山 そう言うスタンスの監督だったから、「じゃあ、考えよう」ってみんなで考え始めたんです。そうしたら、最初は多少温度差があったのが、いろんな役に対して「こうしたらいいんじゃない?」とかいろいろアイデアが出てきて、「じゃあこうしよう」とか、「ああしよう」とか、監督から指示されるのではなくて、自発的に考えてやり始めたのが良かったですね。そうしたらとっても楽しくなってきました。団結感もでてきたし。

平城 最初はみんな、監督と瀬尾さんの考えていることが分からなくて、「あまりうまくいってなかったなぁ」っていうのはあるね。

瀬尾 お互いの気持ちが言えてなくて、何考えてるのか分からないって感じだった。もっと最初から、自分の気持ち、「私はこうしたいけどどうかなぁ?」みたいなことをみんなで言い合えたらよかったかなって思う。最後の方は、言えてたなって思うけど。

奥山 語劇でこんなこと学べると思ってなかったよね〜。

司会者ところで、みなさんが、この外国語学部を受験された理由はどんなことですか?

櫻井 僕は、将来東南アジア向けに仕事をしたいなと思っていたので、最初学問からやろうと思っていたのですが、うまくいかなくて、だったら、言語から地元の人を知るというか、人を学べるんじゃないかと思ってここを受けました。 ベトナムは、発展しているというイメージがありました。東南アジアのタイかベトナムと思っていました。タイも発展していますが、成長速度的に、自分が社会に出てものになる頃のタイミングを考えるとベトナムなんじゃないかと思ったんです。

瀬尾 私は、自分が行ける最高のところに行きたかったんです。上に行けば良い出会いがあると思いました。小学校の頃から英語が好きで、英語を使って何かやりたいと思っていたんです。だから、英語が学べるところで最高のところに行こうと思っていました。
それで、ベトナムに青年協力隊でいったことのある先生がいて、ベトナムの話を聞いたら面白そうだなあと思ったんです。写真を見せてもらったんですけど、今まで見たことないような景色がそこにありました。屋台とかね。ごちゃごちゃした感じ。行ってみたいなあと思って。

平城 僕も、地理の教科書とか見てベトナムのエネルギーを感じましたね〜。

瀬尾 それで興味が出てきて、先生にも相談したら、「これからはベトナムが伸びて来るんじゃないか」といってくださったんです。どうせ学ぶのだったら将来使えるものがいいなと思ってベトナム語を選びました。

平城 僕は、進学校だったので周りが「もう大学に行くぞ〜」って環境だったんです。その中で自分の将来を考えたときに、「とりあえずトップクラスの大学に行けば、将来が広がって見えて来るものがあるだろう」という風に考えました。なにかしら見つかるんじゃないかと。根拠はないんやけど。
ベトナムは、先生が「将来性がある」と言ってくれたのもあるけど、地理や世界史の教科書で、まだ社会主義をやっていることとかベトナム戦争のこととかを見て興味を持ったというのがあって、ベトナムの女性はきれいだというのも聞きますし(笑)

櫻井 そういう不純で純粋な動機が一番原動力になるね、たぶん(笑)
友人で外国人の彼女ができた人がいるんですが、お互いコミュニケーションをとりたいと思って、相手の言語をものすごく勉強したので、クラスの中でその二人の成績が飛び抜けて優秀だったという(笑)
つまり、そういうことがモチベーションとして有効だってことだよね。

瀬尾 モチベーションがなかったら(ここに)来れてないよね。

奥山 私の実家は福井なんですが、父が大阪に住んでいたので、だから大阪に行こ〜みたいな(笑) で、英語が得意だったから外国語系にしようと。その中で自分の学力で行ける一番いいところに行こうと思って。
そうこうしていると、ここに日本語専攻があるのを発見したんです。みんなはベトナム専攻なんですが、私は日本語専攻のベトナム語なんです。

瀬尾 日本語専攻は、最初の1、2年は、副専攻と言って別の専攻のところに入って違う言語を学んで、3、4年生から日本語について専門に学ぶっていうのが特徴なんです。

奥山 日本語と外国語を比較したりして、世界における日本語を知るためにも、それぞれに副専攻で他の言語を学ぶんです。私ならベトナム語を選んだので、最初はベトナム専攻のみんなと一緒に学ぶというカリキュラムなんです。

オープンキャンパスで見に来たときに「外国語学部なのに日本語専攻ってなんだろう?」って興味を持って、行ってみたらそこで日本語教師という仕事があるというのを知って。外国人に日本語を教える仕事、これは面白いぞと思って、ここにしようとはっきり決まりました。
副専攻は、成績や希望で割り振られていきます。「日本語教師をやるなら東南アジアの方が需要がある」と思って、私はタイとベトナムの希望を出していていました。たまたまベトナムになったということです。

瀬尾 日本語専攻のそれは魅力的だよね。

奥山 ちょっと寂しいけどね(笑)。日本語専攻の仲間と授業が一緒じゃないから。みんな違う専攻のところに行ってるから。3回生ぐらいからはゼミとかで一緒になると思うんですけど。

平城 じゃ、3回生からはベトナム語やらないの?

奥山 そう。

平城 そうなんや。

瀬尾 日本語教師は、私も大学入ってから知ったけど面白そう。やりがいありそうだよね。

司会者ここでのキャンパスライフはいかがですか?

奥山 すごく先輩が良い!

瀬尾 あ〜(^^)

奥山 日本語専攻での話ですが、私と同じ道を目指している先輩がいて、いろいろアドバイスしてくれたり、情報を教えてくれます。「こんなホームページあるよ」とか、「この短期留学要行ってみたら」とか。とっても心強いです。そういう良い先輩がいるっていうのは、すっごくイイです!

瀬尾 私は、先輩も含めて人かな〜。出会いというか。ここは総合大学だから、外国語をやりに来ても、法学部もいるし医学部もいるし、ホントにいろんな人がいるから視野が広がるし楽しいです。

平城 いろんな人と出会う時間もできるからね〜。

瀬尾 ほかの外国語大学と違うところが、総合大学の中の外国語学部だということですね。外国語を学ぶ目的だけで来ている人だけじゃない、そこが大きな魅力かな〜と思います。

櫻井 もちろんネームバリューで入るって言うのもあるけど、それだけじゃないってことだよね。

平城 もうひとつ外国語学部の魅力としては、各専攻のクラス単位で動くことです。人数が少ないので、異なる学年の人とも交流できる機会が多くて、仲良くなれるところですね。各専攻自体が小さなゼミみたいなところがあって、それは他の学部にはない特徴だと思うし、学生生活の中で、こんなに仲の良い友だちがたくさんできるのも、あまりないんじゃないかと思います。緊密な人のつながりがたくさんできますね。

瀬尾 個人的なことですけど、私は音を聞くのが好きなんですね。電車のホームのアナウンス聞いて、「あーこの人のしゃべり方好きだな〜」とか(笑)「何線の誰々さんのアナウンスが好きだ」とかね(笑)

櫻井 ちょっと変態だね(笑)

瀬尾 ベトナム語は発音が難しいんですけど、だからこそ凄く魅力的というか、歌ってるみたいというか、有気音、無気音の差もあってワケ分からないけど面白いというか。ベトナム語の音声学を専門にしている教授がいらっしゃって、その人の授業聞いていたらすごく面白くて、そういうのをやりたいなぁとか思っていた時期もありました。

櫻井 僕はサークルとかはやっていなくて、その点ではみんなと少し考え方が違うかも知れないですけど、僕は、ウチの学部は人を学べる学部だと思っているんです。というのは、他の学部、例えば経済学部だと経済学という学問を媒介として人と人が話をすると思いますが、言葉というのは自分が考えていることを表現するツールでしかないので、媒介ではないんですね。だから言語というのは、直に人を学ぶものだと考えています。

その上で、普段の動きはクラス単位なので、自然と人との関係が密になるんです。その分摩擦も起こるし衝突も起こるけど、そういうことを経るからこそ、人をもっと知ることができるし、いろいろなことをする場合にも人と言うものを知っているからこそ、何かそれで優位に立てることもあると思っています。

例えば、語劇のようなイベントごとだと少ない時間で集まってやらなきゃいけないので、やっぱり密になりがちで、ぶつかるけれども人を知ることができるというか、先ほどのマネージメントのこととか、そういうことを学びやすい学部じゃないかと思いますね。

平城 一緒にいる時間が長い分、今回みたいに苦しいことも共有するから仲良くなれるよね。

司会者留学についての思いや考え方を聞かせてください。

瀬尾 短期留学は3週間ですが、私はそれほどエンジョイした方ではないので(笑)。楽しくなかったわけじゃないんですけど・・・。私は食べるのが好きなので、料理は美味しかったですね(笑)。あとは、聞いてて楽しいというか、そこら中でベトナム語が聞こえるのでそれは楽しかったですね。特に南部のホーチミンよりハノイが好きなので。

櫻井 南部はちょっと訛りがきついよね。

瀬尾 南部とハノイではホントに同じ言語かと思うくらい違うんですよ。

平城 中部はまた違うしね。

瀬尾 単語まで違うのがホントに信じられないというか、方言っていうと私たちの感覚では、多少違うけどコミュニケーションはとれるじゃないですか。
でもベトナム語は、その地域の単語も知っておかないとコミュニケーションがとれないわけですよ。

平城 基本単語が違うからな〜、もう意味分からんようになる(笑)

瀬尾 短期留学中はずっとハノイにいて、ホーチミンは3日くらいだったんですけど、ずっとその言葉を聞いていられるのが楽しかったですね。

それで長期留学もしようと思っています。一番の理由はもちろん語学留学ですけど、福祉に興味があって、いま、バイトでヘルパーさんのようなことをやっているんです。でも、ベトナムは介護福祉士という概念がないんですよ。介護は家族がやれば良いって考えだから。昔の日本もそうだったと思うんですが。

ベトナムは特に家族を大事にする文化が顕著なので、将来的に需要が出てくるのかどうかは分からないと先生にも言われましたが、私は、出てくると信じているんです。

それで、いずれはそういう介護福祉士もとれたら良いなと思っているんですけど、ベトナム語というツールを持っていたら、需要が出てきたときに伝えることができるというか、そうなったらいいなと思うので、今のうちにベトナム語を極めておきたいし、現地の福祉施設を見て回りたいなぁという目的があります。卒論もベトナムでの福祉をテーマにしたいと思っていますので。

平城 介護福祉士という職業はできなかったとしても介護の技術自体は、伝えたらプラスになるよね、きっと。

櫻井 日本の在留ベトナム人も増えているから、その需要もあるんじゃない?
日本にいるベトナム人にサービスすることもできるし、日本にきて資格を取りたいというベトナム人に教えることもできるよね。素晴らしいと思う。いろんな面でそれは役に立つよ。

僕は、長期留学する気持ちはないんですが、短期留学の時は、観光地よりも路地とか地元の人が面白かったですね。ご飯屋さんにいくといろんなベトナム人がいて、いろんなところを紹介してもらって、バイクを借りてあちこち行って、いろんなベトナムを見てきました。めちゃくちゃ面白かったですね。

平城 「人が日本と全然違うな」というのはありますね。すごく素朴で素直な感じがしました。僕が日本人だとわかるととても友好的で、日本に対してとても良いイメージを持っているんだなと感じました。
僕はとにかく、初めての海外だったのでめちゃくちゃ面白かったですね。

瀬尾 思った以上に英語が通じないですね。ちょっと郊外に出るともうまったくだめですね。

奥山 私は実はベトナムはあまり楽しめなかったんです(笑)。水回りとかが結構気になるタイプなんですよ〜(笑)。海外に行くたびに「あ〜ワタシ、日本じゃないと生活できないタイプ」って思うんです(笑)。衛生面とかも苦手です(^_^;) 料理も、美味しいんですけどね、パクチーとか苦手なんですよ。

司会者でも将来日本語教師をするんでしょう?

奥山 そうなんですよ〜(笑)

瀬尾 日本で日本語教師もできるんじゃない?

奥山 ただね、そうするにしても海外の経験がないと、ちゃんとできないというハードルがあるから、結局は留学に行かないといけないんですけどね(笑)
だから、特にベトナムでなくてもいいんですけど。

司会者それでは、最後に、受験生へのメッセージをいただけませんか?

奥山 日本語専攻おすすめ(笑)超イイ先輩がいるから超おすすめです。

瀬尾 ベトナム語もおすすめだよ(笑)音が好きな人は特に(笑)
来たら絶対楽しいと思います。ホントにいろんな人がいるから。私は、良い出会いがたくさんできたから。学部の違う人がいるから、良い出会いができたと思います。

櫻井 おそらく「この言語を学びたい」って明確な意思を持って来る人は少数派だと思うんですよね。8割くらいの人はなんとなく来ているんじゃないかと思うんです。

そこで思うのは、受験生って、どうしても「将来を考えなさい、進路を考えなさい」という流れで大学を選んだりするじゃないですか。でもそれって結構無意味だと思っています。大学って手段でしかないので、どう自分が動くかによって得られるものも変わるので、ぶっちゃけそんなに重く考えずに、阪大という名前が欲しいからって入ってきて、そこから考えたら良いことだと思うんですよね。受かる学力があるのなら、入ってきて自由にやればいいじゃんって思います。

平城 まだまだ学歴社会の中で高校生って、勉強ばっかりで将来って見えないと思うんですよ。見えないなら、とりあえず大学に来てしまえば良いと思います。

櫻井 5年先とか分かんないからね。変化に対応できるようにクセづけるってのは、勉強よりも大事なことだよね。

瀬尾 確かに。なにかしらモチベーションがあれば頑張っていけるかなと思います。

櫻井 外国語が勉強できるって言うのは、木で言えば枝先でしかないので、幹のプラットホームとして何が得られるか、何を提供してもらえるかって方に意識を向けるのが大事だと思いますね。
大学に行ける環境があるのなら、スネかじってでも大学に来れば良いと思います。それで将来の選択肢が広がるんだったら良いと思います。良い子になる必要はないと思っています。

平城 できるなら1回キャンパス見学に来た方が良いと思います。何かしら発見があるかも知れないし。

櫻井 大学受験で推薦ってあるじゃないですか。あれって、めちゃくちゃコスパ高いと思うんです。だから、やりたいことが特にないなら、推薦で決めちゃって、それから考えごとをして過ごすのもありじゃないかと思います。
そういう人が入ってくれば、また面白くなると思います。

瀬尾 受験の時、私がいつも思っていたのは、楽しもうって思ってやっていました。しんどかったですけど、楽しんでやっていたと思います。寝るときは絶対寝ていたし。寝る時間は絶対大事だと思います。

全員 そうそう〜〜、睡眠は大事〜〜(笑)

櫻井 難しく考えずに、とりあえずここに来ちゃいましょう(笑)

司会者みなさん、それぞれにしっかりとした考え方や意思を持って学んでおられるのが良く分かりました。受験生への良い情報になると思います。本日はありがとうございました。

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