スペイン語専攻
専攻について
スペイン語は、ローマ人の話していたラテン語から派生した言語で、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語などと兄弟関係にあります。現在で は、スペインはもとよりラテンアメリカの大多数の国々やアメリカ合衆国の一部で、5億人以上の人々がスペイン語を話しています。スペインは、EUのなかで イギリス、フランス、ドイツ、イタリアに劣らず政治、経済、文化の面で重要な位置を占めるだけでなく、EUとラテンアメリカ諸国とを繋ぐ窓口の役割を果たしています。ラテンアメリカ諸国は、米州機構内に留まらず世界政治・経済の舞台において様々な意味で重要な役割を担いつつあります。スペイン語圏の重要性は、スペイン語が国連公用語の一つであることが証明するところです。
スペイン語専攻では、スペイン語の習得を唯一の教育目的とする のではなく、スペイン語圏に関する総合的な知識を身につけた「スペイン語圏ジェネラリスト」を社会に送り出したいと願っています。スペイン語圏にはきわめ て多様な社会、独自の歴史と文化に裏打ちされた魅力的な世界が存在します。スペイン語を通してその魅力に直に触れてみようではありませんか。
教育・カリキュラム
スペイン語専攻は、スペイン語の習得とそれを通してスペイン語圏に関する幅広い知識を身につけることを教育目標としています。言わば「スペイン語圏学」を学ぶところです。「本国人と共通の教養を!」をモットーに、例えばスペインに限定して述べれば、スペイン人の大学生が自国の文化に関してもっている教養と同程度の教養を身につけて欲しいと願っています。スペイン語の習得については、1、2年次の実習の授業を通して「読む、書く、聞く、話す」能力を身につ け、3、4年次の実習でさらに高次元の語学運用能力を獲得するためのプログラムを用意しています。また、スペイン語の習得と並行して、スペイン語圏に関す る言語、文学、歴史・文化の3つの分野を専門的に学ぶための授業(2年次に基礎講義、3、4年次に専攻講義、演習、専門書講読)を開設しています。
学生生活
スペイン語専攻の学部生には、学生交換留学制度に基づいた留学の機会が開かれています。大阪大学は、スペインのバリャドリード大学とマドリード自治大学、メキシコのメキシコ国立自治大学、ペルーのペルーカトリック大学などのスペイン語圏の優れた大学との間に交流協定を締結しており、数名の学生が奨学金を得て毎年それらの大学に留学しています。
卒業後の進路
スペイン語専攻の卒業生は、旧大阪外国語大学のデータですが、三井住友銀行、りそな銀行などの金融関係、ソニー、マツダ自動車工業、ヤマハ発動機などの メーカー、住友商事、伊藤忠商事などの総合商社、日本航空などの運輸関係、中学校や高等学校の教員、外務省や兵庫県庁などの公務員などの幅広い分野で活躍しています。また、大学院に進学して研究者を目指す者もいます。